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六章 「『幸せ割引』③〜医療保障や経済的支援〜」

Auteur: 桃口 優
last update Dernière mise à jour: 2025-09-04 02:24:44

 帰り道彼と手を繋ぎながら、『幸せ割引』のうち優遇されることついて一人考えていた。

 様々ものやことが、『幸せ度合い』の高さによって優遇される。

 その中でも特に変わったものとしては、医療費が『幸せ度合い』の高さによって安くなることだ。

 医療費は基本的に、国民は医療費の三割を負担し、残りの七割は国が負担するようにする制度が前からある。

 その制度を適応した上で『幸せ度合い』の高さによって、その三割負担からさらに負担額を減らすことができる。

 ピンクは無料に、イエローは一割負担に、グリーンとブルーは二割負担になる。

 生活費の中で医療費が高すぎると、お金がすぐになくなったちゃうからかな。

 でも、今ある制度にさらに優遇されるのはかなり珍しいと思う。

 また、他の優遇として、経済的支援もある。

 経済的支援とは、すごくざっくり言えばお金の支援や貸与のことだ。

 例えば、画家志望の人がいれば、美大や芸術系の専門学校に行く学費を全額支援という形や貸してくれたりする。

 支援したもらったお金はあとで返す必要もない。

 『支援』という言い方をしているだけで、つまりはお金をくれているのだ。

 ちなみに『貸与』ではなく全額支援してもらえるのは、ピンクだけだ。

 イエローとグリーンとブルーは支援ではなく、一部貸与だ。その額が『幸せ度合い』によって上限が違う。

 なぜ経済的支援までしてくれるのか、私は考えてみた。

 人生においてお金は全てではないけど、お金がなければ生活することもしたいこともなかなか自由にできないからかな。

 家のお金ことは彼に任せているから、我が家の金銭事情はよくはわかっていないけど、そう思った。

 そもそも私はそれほどお金に興味がないし、執着心もない。

 だから、たくさんほしいともあまり思わない。

 また、たぶん夢を叶えることを無条件で素敵だとする考え方がこの世界にはある気がする。

 夢を支援したいという人がいたり、応援する団体があるぐらいだから。

 夢とは、そんなにキラキラしているかな?

 私にはいまいちピンとこない。

 私の夢は何かな?

 もう大人にもなっているから、何かになりたいという大きな夢もない。だからといって、小さな夢もない。

 どんな人間になりたいかと誰かに聞かれても、すぐに答えられる自信もなかった。

 さらには、『幸せ割引』の考え方には、日常生活の充実も大切なことだとされている。

 むしろ、日常生活を豊かのものにしやすいように、『幸せ割引』があるのかもしれない。

 実際に物の割引や医療費の負担減や経済的支援がある。そのおかげで、人は様々なことがしやすくなっていると思う。

 そんな風に思った時、頭に鈍い痛みが走った。

 この痛みは一体何かな?

 でも、怖いなと感じた。

 私は痛みを抱えながら、また考え始めた。

 日常生活とは一体どんなことかな。

 どこからが日常生活に含まれるのか私にはわからなかった。

 ご飯を食べること? 歯を磨くこと??

 どこからが日常生活になるかわからないから、それを豊かにする方法を頭に浮かばなかった。

 そもそも『豊かさ』って何かな?

 どんな風に過ごせれば、人は満足する??

 私はいつもいつの間にか一日が終わっていることが多い。

 今日は満足したと感じる前に夜になっている。

 そして、たとえ日常をよい方面であろうと、変えたいとも私はあまり思わない。

 私にはいつもしているルーティンがある。それは多少忙しくても毎日したいと思うから。

 彼にも、「そんな生活はよくないよ」と言われたことも一度もない。

 そもそも基本彼は怒りっぽくない。怒ってるところを見たこともない。きっとすごく優しい人なんだと思う。

 怒られると私はどうしていいかわからないから、その点は本当によかったと思っている。

 夢も特になく、日常生活の豊かさもよくわからない私は何があれば『幸せ』と感じるのかな?

 なんとなくだけど、私はわからないことが結構あるかもと感じた。

 その数が他の人と比べて多いか少ないかはわからないけど、わからないこと自体はそれなりにある気がする。

 わからないことが見つかると、私はいつももやもやする。

 それは、深い霧の中にいるような感じだ。

 いつもその霧の中から抜け出すことを私はなかなかできない。

 彼といれば、いつもいい感情になっていることが多い。それを『幸せ』と呼んでいいのかな?

 再度考えてみたけど、私の『幸せ』は何かわからなかった。

 わからないけど、頭の中は考えようと変わらずぐるぐる動いている。

 とにかく『幸せ割引』は、大きく分けると今思い出した三つがある。

 ショッピングや遊び代、高額とされる買い物、医療保障と経済的支援だ。

 三つと言っても幅広く『幸せ割引』は適応されるから、あくまでざっくりとわけると三つというだけだ。

 そして、あと一つ条件のようなものがある。

 それはさっきのカラオケ料金を合算で支払わなかった理由となるものだ。

 『幸せ割引』を一人ではなく、二人以上で使う場合はさらに複雑になるのだ。

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